誰もが得をしないように思える理不尽なルールの真相を探ると、誕生当初には組織なりの「明確な目的」が存在していたケースがほとんどです。学校における厳しい生活指導規定は、1970年代から80年代にかけての校内暴力や非行の激化を力技で抑え込むために導入された緊急措置が原型となっています。当時は非行の兆候を早期に察知するための指標だった外見基準が、時代が移り変わっても見直されずに形骸化し、後世に「不可解な縛り」として残ってしまったのです。
組織論の観点から見ても、謎ルールが存在し続ける決定的な理由として「責任回避の心理」と「経路依存性(過去の決定に縛られる現象)」が挙げられます。ルールを緩和・廃止して万が一トラブルが起きた場合、決定者は責任を問われますが、既存のルールを維持していれば「規則に従っただけ」と弁明できるためです。
さらに、職場における過度なマナーや儀礼は、業務上の合理性ではなく「上下関係の確認」や「集団への忠誠心のテスト」として機能してきた側面を否定できません。目的が消失した後も手段だけが自己目的化して生き残り、新しく参入したメンバーを縛り続ける構造が生まれています。