この前代未聞の仕掛けをプロデュースしたのは、後に数々の伝説的バラエティ番組を手がけた希代のテレビディレクター、澤田隆治である。澤田は番組本編と切り離された従来のCM枠に疑問を抱き、物語のクライマックスに協賛企業の商品を直接登場させる「生コマーシャル」の手法を研ぎ澄ませた。
台本と即興劇の境界線を曖昧にし、役者が劇中の感情のまま商品をアピールする構成は画期的だった。澤田の緻密な計算に基づいた演出は、視聴者の没入感を削ぐどころか、劇空間のリアリティを増幅させる効果を発揮した。商業性と芸術性を極めて高い次元で融合させた彼の哲学は、今なおテレビ番組制作の教科書として語り継がれている。