初代の大成功を受け、翌1983年にはアップグレード版となる『ポールポジションII』がアーケードで稼働を開始しました。前作との最大の違いは、走行コースが大幅に拡充された点です。従来の富士スピードウェイ(コース名:FUJI)に加え、初心者向けの「テストコース(TEST)」、超難関の「鈴鹿サーキット(SUZUKA)」、そしてアメリカの市街地コースを模した「ロングビーチ(SEASIDE)」の計4コースから選択可能となりました。
一方で、当時の家庭用ゲーム機事情に目を向けると、この超ハイテク基板の完全移植は極めて困難を極めました。1983年に誕生したファミリーコンピュータ(ファミコン)の性能では、アーケード版の滑らかなラスタースクロールや膨大なスプライト処理を再現することが構造上不可能であり、ナムコ公式によるファミコン向け直接移植は見送られることとなりました。しかし、この開発思想は後に名作『ファミリーサーキット』や『ファイナルラップ』へと脈々と受け継がれ、レースゲームの系譜を形作っていきました。