当時の巻き髪をそのまま再現すると、毛束が固まりすぎてややクラシカルが過ぎる印象を与えかねない。現代の日常に美しく馴染ませるためには、空気感とヘルシーな質感の掛け合わせが不可欠だ。
使用するアイロンは、大きめの38ミリ(髪の長さによっては32ミリ)がベスト。毛先からぐるぐると巻き上げるのではなく、髪の中間部分からリバース(後ろ向き)に滑らせるように熱を通すのがポイントだ。毛先はあえて巻き込みすぎず、自然に逃がすことで、わざとらしさのない柔らかなウェーブが生まれる。巻き終わった後は、熱が冷めるまで手で触れず、完全に冷えてから粗めのコームや手ぐしで優しくほぐす。このワンステップが、自然な一体感を生み出す。
仕上げのスタイリング剤選びも重要だ。かつて主流だったハードスプレーで固める手法は避け、軽やかな植物性ヘアオイルやセラムバームをごく少量、手のひら全体に伸ばして毛先から内側に揉み込む。表面には手に残ったわずかな油分を撫でつける程度に留めることで、風になびくしなやかさと、吸い付くような艶の両立が可能になる。