正しい筆順を覚えたら、次は「誰が見ても美しい手書き見本のような文字」に仕上げるための造形テクニックを押さえましょう。書道家やペン字指導の専門家が共通して指摘するポイントは以下の3点です。
1. 「走」の上部(土)はコンパクトに引き締める
1画目から3画目の「土」を大きく書きすぎると、文字全体の重心が下がり、だらしない印象になってしまいます。横幅を抑え、少し右上がりの角度を意識してスマートにまとめます。
2. 7画目の右払いは「角度」と「長さ」で空間を演出する
「越」という字の骨格を決定づけるのが、7画目の右払いです。4画目の縦軸の下あたりから徐々に太くしながら斜め下へ進め、一度筆を止めてから、右斜め上に向かってスッと抜きます。この払いが右側の「戉」を包み込むトレイ(受け皿)のような役割を果たします。
3. 「戉」は払いに乗せるように一段高い位置から書き始める
右側の「戉」を配置する際、「走」の土と同じ高さから書き始めると全体が重くなります。「戉」の8画目は「走」の2画目あたりに横幅の中心を意識して配置し、10画目の跳ねを7画目の右払いよりも高い位置で完結させることが、文字に軽快なリズムと立体感を生む極意です。