「触らずに放置していれば自然に消えるのではないか」という疑問も多く寄せられます。新生児や乳幼児にみられる先天性の稗粒腫は、皮膚の新陳代謝が非常に活発なため数週間から数か月で自然脱落することが大半です。しかし、成人以降に生じた稗粒腫が自然治癒することは極めて稀です。袋(嚢腫壁)そのものが皮膚内に残っている限り、何年も同じ場所に留まり続けるのが一般的です。
また、イボの治療薬として薬局やドラッグストアで市販されている「ヨクイニン(ハトムギエキス)」を試す方も少なくありません。ヨクイニンは肌のターンオーバーを整える生薬として知られていますが、その主たる適応はウイルス性のイボ(尋常性疣贅や青年性扁平疣贅)です。すでに角質が硬いカプセル状に固まっている稗粒腫に対しては、ヨクイニンの内服や外用を行っても中身が溶けて消えるような劇的な効果は医学的に期待できません。
市販の角質ケアピーリングジェルやレチノール化粧品も、初期の微小な詰まり予防には役立つものの、完成した稗粒腫を消失させることは困難です。確実かつスピーディに除去したい場合は、物理的な摘出を行う医療機関の受診が最短ルートとなります。