洗浄を終えた後、次なる勝負どころとなるのが「下茹で(ブランチング)」です。使用する肉の部位や状態によって、熱を加えるべき秒数は劇的に異なります。特に牛もつ下茹で時間と豚モツ臭み取り方法を同一に扱ってしまうと、牛もつは脂が抜け落ち、豚モツは硬くて噛み切れないという致命的なミスを引き起こします。
下茹でを行う際は、水に対して酒・長ネギの青い部分・叩き潰した生姜を投入します。この下茹で酒ネギ生姜効果は絶大で、酒に含まれる有機酸がアルカリ性の生臭さを中和し、沸騰とともにアルコール分が揮発する際に微小な臭気成分を一緒に空中へ巻き上げて除去(共沸効果)してくれます。
ここで極めて重要なのが茹でこぼし回数の判断です。牛もつに関して言えば、2度も3度も茹でこぼす行為は自ら旨味を捨てるようなもの。良質な国産牛小腸であれば、丁寧な小麦粉洗いの後に「香味野菜を入れた熱湯で1分強」の茹でこぼし1回で完全に雑味は消え去ります。一方、豚モツは独特の芳香成分が強いため、一度茹でこぼした後に湯を張り替え、再度5分程度煮出す2度茹でが劇的な効果を生みます。