1998年に表面化した一連のスキャンダルは、単なる個人の倫理欠如にとどまらない深刻な病巣を暴き出した。大手銀行や証券会社が「MOF担」と呼ばれる対大蔵省交渉の専門担当者を置き、接待を武器にして行政の動きを探る構図が常態化していたのである。赤坂や六本木の高級料亭のみならず、会員制の過激な接待店舗が工作の場として選ばれた背景には、密室性を高め官僚心理を麻痺させる狙いがあったとされる。
検査日程の事前漏洩や不祥事のもみ消し工作など、裏で交わされた見返りは極めて具体的かつ悪質だった。国民が金融不安と失業率の増加に苦しむ中で繰り広げられていた豪奢で猥雑な宴は、まさに昭和から平成へと続く歪んだ政官癒着の極致であり、後の行政機構のあり方を根本から覆す引き金となった。