タタリ神の身体を覆う、あの不気味に蠢く無数のミミズや蛇のような肉塊。アニメーション映画史においても類を見ないこの描写は、CG技術の黎明期に手描きアニメーションと融合させて生み出された奇跡的な表現だ。
宮崎駿監督はこの蠢きについて、「憎悪や怨念が沸騰し、細胞レベルで暴走した状態」として描いている。理性が焼き切れた生き物の体内からあふれ出る負の感情が、物理的な形を取って周囲の草木を瞬時に枯らし、大地を侵食していく。触れるものすべてを腐食させるその毒々しさは、環境破壊に対する自然のリアクションであると同時に、一度火がついたら止まらない生命の自暴自棄なエネルギーそのものだ。
美しい自然を賛美するだけのファンタジーを完全に脱ぎ捨て、ダークファンタジーの極北へと突き進んだこの視覚的アプローチは、見る者に生理的な嫌悪感と根源的な恐怖を植え付けた。