一般的に普及したモデルナ製のmRNAワクチンは、正式名称を「スパイクバックス(Spikevax)」と呼ぶ。パンデミック初期から世界規模で展開されたこの製剤は、米国モデルナ(Moderna, Inc.)が開発した最先端の遺伝子技術を基盤としている。最高経営責任者(CEO)であるステファン・バンセル(Stéphane Bancel)率いる同社は、従来のワクチン開発期間を大幅に短縮し、迅速な臨床応用を実現した。
日本国内における流通および薬事承認申請においては、国内製薬大手である武田薬品工業が重要な役割を果たした。海外で製造された原液の輸入から国内での保管、全国の自治体や大規模接種会場への配送に至るまで、武田薬品工業の高度な冷圧・物流ネットワークが投入された。ロット番号は、この複雑な国際サプライチェーンの各工程における品質保持基準を証明するための厳密なシリアルナンバーとして運用されてきたのである。