「モダン」というハイカラな響きから、昭和初期のモダンガール(モガ)・モダンボーイ(モボ)のような西洋風の流行にちなんだ命名だと思われがちですが、食文化史を紐解くとユニークな現場発祥のエピソードが見えてきます。
発祥の地は大阪・玉出の老舗「ぼてぢゅう」
モダン焼きの元祖として知られるのが、昭和28年(1953年)創業の老舗お好み焼きチェーン「ぼてぢゅう」です。戦後の復興期、創業者の手によって「1枚でより安く、お腹いっぱいになるメニューを作りたい」という想いから考案されました。当時の従業員のまかない飯として、余った焼きそばをお好み焼きに挟んで焼いていたものが客の間で評判となり、正式メニューへ昇格したのが始まりとされています。
語源は「盛りだくさん焼き」の略称
名前の由来として最も有力なのは、「盛りだくさんな具材(お好み焼き+焼きそば)」を略して「モダン」と名付けたという説です。当時流行していた英語の「Modern(当世風・近代的)」とお洒落な言葉の響きをかけ合わせたダブルミーニングとなっており、大阪商人のユーモアとマーケティング感覚が光る命名でした。
また、関西圏(特に神戸・兵庫エリア)では、中華麺の代わりに「うどん」を入れた「うどんモダン(うモダン)」や、生地をクレープ状に薄く敷く「のせ焼き」スタイルのモダン焼きも独自の進化を遂げており、地域ごとの食文化の層の厚さを物語っています。