かつて社会を巻き込んだ巨大フランチャイズのキャストであった事実は、多くの若手俳優にとって祝福であると同時に重い呪縛にもなり得る。『ハリー・ポッター』の熱狂的なファンイベントに出席しつつも、彼女は自身を過去の栄光に閉じ込めたりはしなかった。
あの経験があったからこそ今の自分があると認めつつ、過剰な神話化を冷静な視線で見つめ直す姿勢。子役・若手俳優が抱えがちなアイデンティティの危機を、彼女は多角的な創作活動によって乗り越えてきた。過去の役柄を否定するでもなく、すがりつくでもない。そのフラットな距離感こそが、現在の彼女のしなやかさを支えている。