監督を務めた細田守と、彼が立ち上げたアニメーション制作会社スタジオ地図は、本作において「声の芝居における圧倒的な現実感」を追求した。これを共同制作として支えたのが日本テレビ放送網であり、邦画のトップランナーたちが結集して制作が進められた。
細田監督が指示したのは、誇張された「アニメ的な発声」ではなく、日常のふとした瞬間に漏れ出る声のトーンだ。セリフをきれいに読もうとするのではなく、相手の反応を受けて自然に出てくる感情の揺れを大切にしたという。
この徹底した演出方針により、観客はアニメーションでありながら、まるで現実に存在する家族の歴史を目撃しているかのような深い没入感を得ることとなった。