本作のプロデュースを手掛けたのは、ミッシー・エリオットの長年の盟友であり、00年代のアーバンミュージックを再定義した天才プロデューサーのティンバランド(Timbaland)です。『Work It』は、彼の手掛けたプロデュース代表曲の中でも、サンプリングのコラージュ感覚が極限まで研ぎ澄まされた傑作として知られています。
楽曲内には、1980年代のオールドスクール・ヒップホップやエレクトロ・ファンクへの熱烈なリスペクトが散りばめられています。
- Run-D.M.C. - 『Peter Piper』(1986年):イントロやブレイク部分で鳴り響く特徴的なドラムフィルとスクラッチの質感。
- Rock Master Scott & the Dynamic Three - 『Request Line』(1984年):「Request line!」という象徴的なボーカルサンプリングを効果的に引用。
- Afrika Bambaataa & Soulsonic Force - 『Planet Rock』(1982年):トラック全体を貫くエレクトロファンク特有のTR-808系重低音グルーヴ。
収録アルバムである『Under Construction』(2002年発表)は、直前に急逝した親友アリーヤ(Aaliyah)への追悼と、「原点であるオールドスクール・ヒップホップの構築」をテーマに掲げて制作されました。ティンバランドとミッシーは、過去の名曲の断片を単に再利用するのではなく、近未来的な電子音や象の鳴き声のようなエフェクト音と融合させることで、誰も聴いたことのない前衛的なダンスミュージックへと昇華させました。