歌詞の中で際立った異彩を放つのが、「夏が始まって 真夏が追いついていく」という独特な表現だ。一見すると抽象的なこの詩的フレーズには、季節の移ろいと主人公の感情のタイムラグが巧みに投影されている。
心が準備を終える前に、怒涛のように押し寄せてくる季節のスピード。そして、置いていかれそうになりながらも必死に今を生きようとする心の焦り。聴き手は、この絶妙な言葉の疾走感に背中を押され、二度と戻らない季節の渦中へと飛び込んでいくのだ。邦楽ロックの枠組みを超えた文学的なメタファーが、楽曲に深みを与えている。