日本の法廷・捜査ドラマの歴史を語るうえで、回避できない巨大な金字塔がある。平成のテレビドラマ史に打ち立てられたモンスター番組、フジテレビ系列の『HERO』だ。主演の木村拓哉が演じた久利生公平は、スーツを着ないジーンズ姿の型破りな検事。自らの足で現場を歩き、小さな違和感も見逃さない愚直な捜査スタイルが、日本中に空前のムーブメントを巻き起こした。
検察官を主役に据え、冤罪を防ぎ真実を追求する検事の執念を描いたこの作品は、それまでの堅苦しい法廷作品のイメージを根底から破砕した。木村拓哉の圧倒的なカリスマ性と、個性的すぎる城西支部の面々による掛け合いは、今なお色あせることなく視聴者の胸を打ち続けている。