全国ツアーを展開する2026年公演では、従来の伝統的な舞台機構に加え、挑戦的な演出アプローチが導入されている。関係者への取材で明らかになったのは、デジタル技術と泥臭いアナログ演出のハイブリッド化だ。
異世界の森が広がっていく場面では、最新のプロジェクションマッピングが背景を彩る一方で、あやかし達の登場シーンにはあえて古典的な糸操りや着ぐるみ、大型パペットがふんだんに使用されている。劇団の演出チームは「デジタルで背景の奥行きを無限に広げつつも、役者が触れる小道具や妖怪の質感には徹底して手作りの温かみを残した」と語る。最新技術を主張させるのではなく、あくまで絵本が持つ手ざわり感を強調するための背景として機能させる塩梅が、観客に未知の没入感をもたらしている。