東京都府中市若松町に構える明治大学野球部の寮(島岡寮)。ここは、かつて明大野球部の礎を築いた名将・故島岡吉郎監督の魂を受け継ぐ聖地です。ネット上やSNSでは「軍隊のような過酷な環境ではないか」「上下関係が厳しすぎるのではないか」といった憶測が飛び交うこともありますが、実際の現場環境は時代に合わせて劇的な進化を遂げています。
歴代のプロ選手たちが手記や引退後のインタビューで一様に語るのは、「あの寮生活があったからこそ、プロの一軍でも動じない精神力が培われた」という事実です。現在でも部員全員による寮生活が基本であり、1年生から4年生までが生活空間を共にします。毎朝の徹底した清掃活動、礼儀作法、挨拶、時間の厳守といった基礎行動は徹底されていますが、それは理不尽な強制ではなく「社会人として自立した大人になるための規律」として位置づけられています。
公の場で選手たちが見せる立ち振る舞いの端正さや、ピンチの場面でも崩れないメンタルの強靭さは、こうした共同生活の中で育まれる自己管理能力の賜物です。私生活の乱れがグラウンドでの隙につながるという哲学が、選手個々の高い当事者意識を生み出しています。