名優・長門裕之の狂気と情愛:日本映画界を揺るがした怪優の真実

名優・長門裕之の狂気と情愛:日本映画界を揺るがした怪優の真実

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役者・長門裕之の真骨頂を語る上で欠かせないのが、鬼才・今村昌平監督との運命的な邂逅だ。二人の妥協なきぶつかり合いは、日本映画史に燦然と輝く傑作を生み落とすことになった。

横須賀の米軍基地周辺で繰り広げられるヤクザとチンピラたちの醜態と生命力を描いた『豚と軍艦』。長門が演じた主人公・欣太は、愚かで、純粋で、情けない。クライマックスで解き放たれた無数の豚が商店街を疾走するなか、狂乱の中で散っていく彼の姿は、観る者の網膜に焼き付いて離れない迫力を持つ。さらに『にっぽん昆虫記』でも、底辺を生きる人間たちの剥き出しの欲望を見事なリアリズムで支えてみせた。美談に逃げず、人間の恥部までをも愛おしく演じ切る怪優の真価がここにあった。

林 結菜
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林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。