最期まで現役を貫いた平幹二朗の遺作となったのが、フジテレビ系月9ドラマ『カインとアベル』、そして長年出演し続けた『警視庁捜査一課9係』シリーズだった。亡くなる直前まで撮影現場に立ち、台詞の一句たりとも疎かにしないプロフェッショナリズムを発揮していた。
映画の世界でも、映画『十三人の刺客』で見せた重厚な老中役など、圧倒的な威厳を放つ名演技が忘れられない。冷酷さと狂気が入り交じる殺伐とした物語の中で、彼が画面に登場するだけで作品全体に重厚な格式が生まれた。最期の瞬間までスクリーンと舞台に命を削り続けた生き様は、正真正銘の職人だった。