柄本家の軌跡を振り返る上で欠かせないのが、数々の名作映画だ。柄本明が今村昌平監督のもとで主演を務め、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた『カンゾー先生』(1998年)。あの人間味あふれる医師役は、日本映画史に刻まれる傑作となった。
そして時代を超え、安藤サクラや柄本佑らが挑んだ『万引き家族』をはじめとする現代の名作ヒューマンドラマへ。柄本一族がスクリーンに残してきた足跡は、日本の映画文化そのものと言ってもいい。かのこは、そうした名作が生まれる現場の空気感を誰よりも近くで吸い込み、裏方としてその歴史を支え続けてきた。