屋号の由来でもある水と芸術を司る女神・弁才天。その神聖な水脈を想起させる地下深層からの汲み上げ水は、口当たりが柔らかく、肌に触れた瞬間に吸い付くようなまろやかさを誇る。ミネラルバランスに優れた軟質の水質が、浴槽ごとの個性を際立たせるベースとなっている。
看板である「生薬配合湯」の浴槽には、湯守が毎朝調合する厳選生薬が惜しみなく投入される。陳皮、当帰、生姜、黄柏などが麻袋の中でじっくりと熱を帯び、深みのある琥珀色の湯へと変貌を遂げる。湯温はあえて43度前後の高めに設定。熱い湯が皮膚を刺激した直後、生薬の有効成分がじんわりと深部へ浸透していく感覚は、家庭の風呂では決して再現できない贅沢だ。湯上がり後も指先までポカポカとした保温感が長時間持続する。