現役引退後、年寄・安治川を襲名して部屋を創設。のちに名跡を伊勢ヶ濱へと変更し、伊勢ヶ濱部屋を角界屈指の名門へと飛躍させた手腕は、指導者としての非凡さを何よりも証明している。その象徴が、第70代横綱となった日馬富士公平の育成だ。
軽量で立ち合いのスピードに長けていた日馬富士の潜在能力を見抜き、持ち味を殺さずに横綱相撲の重厚さを植え付けた。さらに「土俵の職人」として長年幕内上位でファンを沸かせた安美錦竜児(現・安治川親方)など、個性豊かな実力派を次々と輩出。公益財団法人日本相撲協会内でも、育成の手腕に関して親方の右に出る者はいないと高く評価されてきた。