キャンパスを歩くと、昭和初期の面影を残す講堂や登録有形文化財が視界に飛び込んでくる。大正12(1923)年に設立された彦根高等商業学校を前身とする滋賀大学彦根キャンパスの歴史は、そのまま日本の近代商業教育の歩みと重なる。すぐ隣には国宝・彦根城がそびえ立ち、堀沿いの並木道を通学路とする贅沢なロケーションは、全国の大学を見渡しても類を見ない。
この歴史的環境は単なるノスタルジーにとどまらない。城下町の落ち着きと伝統校の格式が醸し出す独特の学習環境が、学生たちに地に足の着いた思考力を育む土壌となっている。滋賀県彦根市という落ち着いた街並みの中で学業に専念できる環境は、大都市圏の喧騒に流されがちな若者にとって、思慮深さを磨く絶好のシェルターとして機能している。