この映画祭の大きな強みは、都市部だけでなく全国規模のネットワークで展開されている点だ。TOHOシネマズをはじめとする全国の主要シネマコンプレックスが手を取り合い、地方都市の映画ファンにも等しく高品質な上映環境を提供している。大型劇場ならではの最新音響設備や快適なシートで往年の名作に浸る体験は、かつて名画座へ通い詰めた往年の映画ファンはもちろん、リアルタイムの公開を知らない若者世代の心をも捉えた。
シネコンのスケジュールにおいて午前中の時間帯を有効活用するこの仕掛けは、近年の映画興行における成功モデルとしても高い評価を受けている。新作映画の興行収入だけに依存せず、歴史的価値を持つコンテンツを定期的に上映することで、劇場への足の重い層を呼び戻す循環が生まれた。週末だけでなく平日午前中の客席が賑わう光景は、映画館という空間が持つポテンシャルの高さを改めて見せつけている。