人形町を代表する銘店として真っ先に名が挙がるのが、重盛永信堂と板倉屋だ。重盛永信堂の人形焼は、ずっしりとした重みを感じるほど贅沢に詰まった餡が特徴。極薄の生地と濃厚な餡の対比が鮮やかで、甘党には堪らない逸品として知られている。季節ごとに登場する限定品や、目にもめでたい七福神の形は手土産の定番だ。
一方の板倉屋は、ふんわりとしたカステラ生地の豊かな香りと優しい甘みのバランスが絶妙で、昔ながらの手焼きの風味を今に伝えている。職人が店頭で一箱ずつ丁寧に包む姿には、古き良き下町の温もりがあふれている。長年競い合い、高め合ってきた二大老舗の味わいを食べ比べることこそ、この街を訪れる最大の醍醐味と言える。