なぜ、一客数万円を誇る名店でこのような事態が起きてしまったのか。専門家は、近年の地球温暖化に伴う海水温の上昇が、魚介類の寄生虫や細菌の動向に変化をもたらしていると指摘する。仕入れの段階でどれほど厳選されたネタであっても、目視や従来の管理方法だけでは防ぎきれない微細なリスクが存在するのだ。
また、職人の技術や「職人気質」に頼りすぎるあまり、科学的な温度管理やHACCP(ハサップ)に沿ったシステム導入が遅れていたのではないかという厳しい見方もある。伝統を守ることと、現代の厳格な衛生基準を両立させる難しさが浮き彫りになった形だ。