1953年、NHKが日本初のテレビ本放送を開始するにあたり実施した専属俳優オーディション。応募者数千名という狭き門をくぐり抜け、見事合格を果たしたのが黒柳徹子だった。しかし、スタートから順風満帆だったわけではない。個性が強すぎる声や独特の滑舌を理由に、当初は劇団の裏方や脇役に回されることも多かったという。
それでも彼女の天性の華と存在感は隠しきれなかった。ラジオドラマや初期のテレビ番組で一躍脚光を浴びた演技は、瞬く間に視聴者の心を掴む。和服をスタイリッシュに着こなす姿や、ヨーロッパの映画女優を思わせるクラシカルな洋装スタイルは、まさにアジアンビューティーの先駆者。芸能界に新しい風を吹き込んだ第一期生としてのプライドと情熱が、その眼光には満ちていた。