大手レシピサイトのコミュニティや知恵袋、SNSの投稿を分析すると、「レシピ通りに炊いたのに芯が残る」「炊飯器の早炊きを使ったら異常に固くなった」といった切実な相談が年間を通じて数多く寄せられています。調理器具メーカーの技術開発担当者へのヒアリングや現場検証データから見えてきたのは、ご飯が固くなる失敗理由の約8割が「計量誤差」と「吸水不足」の二重苦に起因しているという冷厳な事実です。
特に若い世代や一人暮らしの世帯では、デジタルスケールを使わずに目分量で米を研ぎ、内釜の目盛りを斜め上から覗き込んで適当に注水してしまう傾向が見られます。目線が斜めになると視差によって水面が実際よりも高く見え、結果として水量が10〜15ccほど不足します。さらに、洗米後すぐにスイッチを押してしまう「浸水スキップ」が重なることで、デンプンの糊化(アルファ化)に必要な中心部までの水分供給が断たれ、結果としてパサつきの原因を作ってしまうのです。