二人の関係が動き出す最初のきっかけは、現代社会を象徴するSNS上のコミュニケーションだった。元新潟県知事であり弁護士・医師の肩書も持つ米山隆一氏と、直言に定評のある室井佑月氏。もともとはX(旧Twitter)上で社会問題や政策に関する論争を交わす「対立関係」に近い間柄だったというから面白い。
転機となったのは、共通の知人である元経済産業省官僚の古賀茂明氏らを介したリアルな接点だった。ネット上の殺伐とした議論から離れ、実際の対談番組や食事の席で直接言葉を交わした際、室井氏は米山氏の誠実さと知識の深さに深く感銘を受けたという。画面越しで抱いていた「理屈っぽい人物」という第一印象は崩れ去り、むしろ人間味豊かな一面に心を動かされることとなった。
一方の米山氏も、自分の主張を真っ直ぐにぶつけてくる室井氏の情熱と情に厚い人柄に強く惹かれていった。理詰めで物事を分析する学者肌の男と、直感と感情を力強く言葉に乗せる表現者の女。思考のプロセスこそ違えど、社会を良くしたいという根本の熱量が共鳴し、急接近するまでに時間はかからなかった。