JTWCが公式サイトでリアルタイム公開しているグラフィック(進路予想図)は、米軍の作戦仕様で設計されているため、日本の一般向け天気図とは表記ルールが根本から異なります。初見では暗号のように見える記号も、ポイントを押さえれば一瞬で状況を把握できます。
最も事故や誤解を招きやすいのが日時の表記(日本時間との時差換算)です。JTWCの図面に記載されている時刻はすべて協定世界時(UTC)、米軍コードで「Z(ズールー時間)」と呼ばれる標準時が使われています。
【日本時間(JST)への換算公式】
進路図上の表記「日 / 時:分 Z」に「+9時間」を加算します。
例えば、予想進路図のポイントに「241200Z」と記されている場合:
・「24日 12:00 UTC」を意味します。
・12時に9時間を足すと「21時」になります。
・したがって、日本時間に直すと「24日 午後9時(21:00)」の予測位置を示しています。
日付をまたぐケース(例:1800Zに9時間を足すと27時=翌日午前3時)では日付の読み替えミスが多発するため、現地での行動計画を立てる際はスマートフォンの世界時計機能を照合するなど慎重な確認が欠かせません。
風速の単位にも注意が必要です。気象庁が使用する「m/s(メートル毎秒)」に対し、米軍は「kt(ノット)」で表記します。1ノットはおよそ秒速0.514メートルです。「ノットの数値を半分にする」と概算のm/sが導き出せます。例えば、進路図に「65 KT」と記載されていれば秒速約33m/s、「100 KT」であれば秒速約51m/sの猛烈な風が吹き荒れている事態を意味します。
また、JTWCの予想図に描かれる円は、気象庁の「台風の中心が70%の確率で入る予報円」とは意味合いが異なります。JTWCの円は、その時刻において危険な暴風(34ノット、50ノット、64ノット以上)が及ぶ予測危険半径(風域)そのものを表している場合が多く、沖縄本島や先島諸島がどの暴風圏にいつ巻き込まれるかをダイレクトに警告しています。