「メリーさんの家」にまつわる情報の混乱を招いている要因として、複数の異なる歴史・人物像の意図しない混同が挙げられます。
その代表例が、戦後の横浜に実在した伝説的女性「ヨコハマのおメリーさん」との混濁です。顔を白粉で白く塗り、貴族のような純白のドレスを身にまとって伊勢佐木町や馬車道周辺に立ち続けた彼女の生涯は、ドキュメンタリー映画や舞台にもなった実在の人物史です。しかし、名前の類似性から一部のネットまとめ記事やSNS投稿において、「六甲山のメリーさん」と「横浜のメリーさん」が同一視されたり、奇妙な怨霊譚として曲解されたりするケースが散見されます。
さらに、兵庫県内には「ホワイトハウス」「ロシア領事館跡(通称)」など、異国情緒ある複数の廃墟が存在していたため、それらの断片的な噂がネット上で合体し、実態のない「究極の怪異の館」が創り上げられていったのが真相です。