事態を深刻化させている元凶が、スーパートコジラミ(ピレスロイド抵抗性)の蔓延だ。国立感染症研究所などの調査によると、現在都市部で採取される個体の8割から9割以上が、家庭用殺虫スプレーの主成分であるピレスロイド系薬剤に対して極めて強い耐性を持っていることが判明している。
ドラッグストアで購入した一般的な殺虫剤を噴霧しても、気絶すらぜずに平然と逃走するケースが大半だ。それどころか、薬剤の刺激によって潜伏場所から散らばり、別の部屋や隣家へと被害エリアを拡大させてしまう「フラッシングアウト(追い出し)」の二次被害が頻発している。
目に見える成虫だけを叩き潰しても、壁の奥や家具の隙間には無数の卵が残されている。卵には薬剤が浸透しにくく、約1週間で孵化するため、素人による中途半端な薬剤散布は個体群の拡散を助長する結果になりかねない。