人気の一方で、飼育検討者が直面するのが「血統書」にまつわる複雑な構造だ。国内最大の愛犬団体である一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)は、豆柴を独立した「犬種」としては公認していない。JKCの血統基準において、彼らはあくまで標準的な柴犬のサイズバリエーション、あるいは規格外の個体として分類される。
犬種の標準体格を守り、骨格や遺伝的健康を維持するためには、安易な小型化を犬種標準として固定化すべきではないという伝統的な育種論が背景にある。対照的に、特定非営利活動法人日本社会福祉愛犬協会(KCジャパン)のように、厳格な体高制限と三代にわたる祖先のサイズ確認をパスした個体にのみ「豆柴」としての血統書を発行する団体も存在する。
「非公認=悪」と短絡的に捉えるべきではない。しかし、血統登録をめぐる団体ごとのスタンスの違いを理解しておくことは、過熱するペット産業のなかで健全な選択をするための第一歩となる。