『ツインズ (1988年の映画)』の根底に流れるプロットは、今振り返っても驚くほどエッジが効いている。ノーベル賞受賞者をはじめとする6人の卓越した父親の遺伝子を掛け合わせ、完璧な人類を創り出す極秘実験。そこから誕生したのが、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるジュリアスだった。
文武両道で純粋無垢なジュリアスに対し、実験の副産物、いわば「不要な搾りかす」として切り捨てられた存在がダニー・デヴィート演じる弟のビンセントだ。施設に預けられ、世間の冷たい風に晒されながら借金まみれの生活を送っていたビンセントの元へ、突然「生き別れの兄弟」としてジュリアスが現れる。
生物学的な傲慢さとエゴから生まれた二人が、理不尽な出生の秘密を受け入れ、お互いの欠落を埋め合っていくプロセスこそがこのコメディ映画の真骨頂だ。遺伝子の優劣などという冷徹な計算を、家族の温もりがあっさりと凌駕していく爽快感が観客を虜にした。