なぜ彼女は絶望の暗闇から這い上がり、お茶の間の顔へとのし上がることができたのか。その最大の転機となったのが、作家の対談相手として抜擢されたことだ。
当時、マツコ・デラックスが執筆していた記事を目にし、その圧倒的な文才と独特の感性を見抜いたのが作家の中村うさぎだった。彼女からの熱烈なオファーを受け、対談集のゲストとして表舞台へ呼び出されたことが、止まっていた時計の針を再び動かす。
「アタシを面白がってくれた最初の変人」。後にマツコが感謝を込めて語るように、中村うさぎという理解者との出会いが、閉じこもっていた魂を外の世界へと引きずり出した。自らの存在を肯定された体験が、人生の大きな分岐点となったのだ。