誰もが学校で習う、アテルイの降伏と処刑。しかし、今回見つかった木簡の記述は、その悲劇の裏にあった「約束」の存在を強く示唆している。田村麻呂はアテルイの武勇と人格を認め、彼の助命を強く朝廷に嘆願したとされるが、その嘆願書の実物に近い写しが発見されたのだ。
「彼を殺せば、東北の乱は永遠に収まらない」。そう朝廷に直訴した田村麻呂の言葉が、文字となって現代に伝わった衝撃は計り知れない。政治的な思惑で処刑を強行した京都の貴族たちと、現場で平和を望んだ武人の温度差が、1200年の時を超えて浮き彫りになっている。