マリー・アントワネット名言の罠!パンの嘘と断頭台の最期が暴く素顔

マリー・アントワネット名言の罠!パンの嘘と断頭台の最期が暴く素顔

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「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」というフレーズは、マリー・アントワネットを象徴する言葉として定着していますが、歴史的事実として彼女自身がこの言葉を発した記録は一切存在しません。

フランス語の原文とされる表現は「Qu'ils mangent de la brioche(ならブリオッシュを食べるがよい)」です。ブリオッシュとはバターや卵をふんだんに使った高級な発酵菓子パンを指します。当時、凶作によって主食の小麦パンすら手に入らず飢餓に苦しんでいたパリ市民の感情を逆撫でする発言として喧伝されました。

しかし、この言葉の初出を辿ると、哲学者ジャン=ジャック・ルソーが執筆した自伝的著作『告白』第6巻に登場する「ある大公妃(une grande princesse)」の逸話に行き着きます。ルソーがこの原稿を書いたのは1765年頃と推定されていますが、当時マリー・アントワネットはまだオーストリア・ウィーンの宮廷に暮らす9歳から10歳の少女であり、フランスへ輿入れすらしていませんでした。

では、なぜこの発言が彼女のものとして世界中に定着してしまったのでしょうか。背景には、財政破綻と食糧危機に直面したフランス王政末期の社会情勢があります。国民の飢餓と怒りの矛先を逸らし、ブルボン王朝打倒の正当性を得るため、革命派の活動家や扇動メディア(パンフレット・風刺画)が、異国から嫁いできたオーストリア出身の王妃を格好のターゲットとして選び、既存の悪名高いフレーズを意図的に彼女へ結びつけたのです。

高橋 健太
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高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。