日本のペット飼育における歴史的転換点が訪れてから久しい。一般社団法人ペットフード協会が毎年発表する全国犬猫飼育実態調査の最新データによると、猫の推計飼育頭数は約900万頭前後の高い水準を維持し、犬の飼育頭数との差を年々広げている。この統計調査が示す結果は、単にどちらの動物が人気かという表面的な比較にとどまらず、日本人のライフスタイルの構造的変化を静かに物語っている。
しかし、飼育数の拡大と裏腹に、現場では意外な事実や新たな課題が浮き彫りになりつつある。室内飼育率が9割を超えたことで平均寿命は15年以上へと大幅に伸びた。その一方で、猫の高齢化に伴う高度医療費の増大や、認知症・腎臓病ケアの負担という現実が飼い主を直撃している。単に「手間がかからない」というイメージだけで飼い始めた人々が、終生飼養の責任の重さに直面するケースも少なくない。