日本の競馬シーンでも、スピードに対する解像度は劇的な進化を遂げている。日本中央競馬会(JRA)が導入を進めるGPSトラッキングシステムや、公式データ配信サービスであるJRA-VANの高度化により、各馬のレース中におけるリアルタイムな時速やラップタイムが瞬時に可視化されるようになった。
かつては目視や大まかなハロンタイムでしか推し量れなかった道中の攻防が、今やグリーンチャンネルの中継画面上にリアルタイムの速度グラフとして映し出される。第3コーナーから第4コーナーへ向かう勝負どころでどの馬が時速何キロまでギアを上げたのか、直線で脚色が鈍った馬の減速幅はどれほどだったのか。デジタル技術の進展は、競馬産業全体のエンターテインメント性とデータ分析の深さを未知の領域へと押し上げている。