日本の行政DXを加速させるうえで最大の障壁となっているのは、技術的な課題以上に国民との「信頼関係」である。デジタル庁が掲げる利便性の追求に対し、独立した監督機関である個人情報保護委員会は、厳格なデータ管理とプライバシー配慮の徹底を繰り返し勧告してきた。
システム開発におけるテスト不足や自治体間の連携エラーなど、これまでに生じた不祥事の多くは人的・運用上のミスに起因する。性急な推進が招いた信頼失墜を回復しない限り、どれほど高度なデジタル社会を構築しようとも、国民の心理的抵抗感を完全に払拭することは難しい。