本作の評価を決定づけたのは、主演を務めた岡田将生と、その無二の親友でありライバルを演じた山崎育三郎の鬼気迫る演技力である。八代目有楽亭八雲(菊比古)の若き日から老境に至るまでの壮絶な人生を、岡田将生は一人で演じ切った。
特に圧演だったのは落語の演じるシーンだ。プロの落語家指導のもと、長尺の一人芝居を吹き替えなしで演じきる挑戦は、テレビドラマ業界においても極めて異例のリスクであった。岡田が見せた『死神』の冷酷な目つき、山崎育三郎演じる助六の爆発的なエネルギーと儚さ。ふたりの「怪演」は、単なるタレントドラマの域を遥かに凌駕し、視聴者の息を呑ませた。