立川流の最大の特徴は、伝統的な落語界には存在しなかった「家元制度」の導入と、極めて過酷な「実力本位の真打昇進試験」にあります。談志は自らを「家元」と位置付け、弟子たちに対して明確かつ客観的な昇進ノルマを課しました。
従来の落語界では、入門から一定の年数が経過すれば周囲の推薦によって二ツ目、真打へと昇進していく慣例がありました。しかし立川流では、「古典落語50席の完全習得」「講談や浪曲、都々逸、長唄などの歌舞音曲の体得」「基準以上の集客力と自活能力」など、明確なハードルをクリアしなければ二ツ目への昇進すら認められませんでした。さらに真打昇進時には、談志家元による口頭試問や公開試験、さらには著名人審査員を招いた厳正な審査が行われたのです。