主演を務めたキャスト陣は、いずれも本作を契機に役者としての幅を大きく広げ、現在に至るまで第一線で活躍を続けています。
狂気の悪女・樹理役を演じきった稲森いずみは、本作での体当たりの演技が高く評価され、以降はシリアスなサスペンスからコメディ、大河ドラマに至るまで欠かせない実力派女優の地位を確立しました。近年でも凛とした美しさと圧倒的な存在感で幅広い層から支持を集めています。
追い詰められる妻・樹子を熱演した賀来千香子は、当時『ずっとあなたが好きだった』『誰にも言えない』などに続くサスペンスの女王として、恐怖に怯えながらも家族を守るために立ち向かう芯の強い女性を見事に具現化しました。現在も舞台や情報番組で上品な魅力を放ち続けています。
翻弄される夫・達也を演じた赤井英和は、元ボクサーならではの骨太さと、女性の罠に堕ちていく哀愁漂う男性像をリアルに表現。その後もバラエティから本格映画まで、人間味あふれるキャラクターで息の長い人気を誇っています。この3名が放つ強烈な個性の化学反応こそが、作品の求心力を支えた核心でした。