自衛隊に詳しくない一般層の間で頻繁に見られるのが、「第一空挺団=レンジャー部隊なのか?」という疑問です。ここには明確な違いがあります。
「レンジャー」とは、陸上自衛隊において過酷なサバイバル・遊撃戦訓練を修了した隊員に付与される特殊技能資格の名称です。全国の普通科連隊などに所属しながらレンジャー資格を持つ隊員も多数存在します。これに対し、「第一空挺団」は落下傘降下による空中機動を専門とする部隊そのものを指します。
特筆すべきは、第一空挺団の隊員が取得する「空挺レンジャー」の難度です。通常のレンジャー訓練に加え、山岳・密林・積雪地などあらゆる地形への空中投下から始まるため、自衛隊内で最も過酷な徽章課程の一つとして恐れられています。団内の幹部や中核隊員の多くがこの空挺レンジャー資格を保持しています。
さらに、習志野駐屯地には「自衛隊最強の秘密部隊」と呼ばれる特殊作戦群(Special Forces Group: SFGp)が同居しています。2004年に創設された特殊作戦群は、対テロ作戦や敵地深奥部への潜入破壊工作を主任務とする特殊部隊であり、その初期創設メンバーの多くは第一空挺団の空挺レンジャー資格者から選抜されました。現在も第一空挺団は、特殊作戦群へ優秀な人材を供給する主要な揺籃(ようらん)としての機能を担っています。
また、近年の重要な変化として女性自衛官の配属が挙げられます。防衛省による配置制限の見直しを受け、2026年に女性として初めて空挺徽章を取得した橋本麗奈3等陸曹の誕生を皮切りに、現在では複数の女性隊員が第一空挺団に在籍し、男性隊員と寸分違わぬ基準で降下任務や支援業務を遂行しています。