都市部で最もトラブルが起きやすいのが「右折時における軌道敷の通過と待機」です。交差点での正しい挙動手順をステップ別に整理します。
- 事前確認と合図:曲がろうとする交差点の手前30メートルの地点で右折のウインカーを出し、ルームミラーとサイドミラー、さらに目視で後方から路面電車や後続車が迫っていないかを確実に確認します。
- あらかじめ寄る位置の選定:「軌道敷内通行可」の指定がある道路、あるいは路面に右折用矢印が引かれている場合は指定車線に従います。標識がない道路の場合は、軌道敷の直前(道路中央寄り)まで車を寄せ、みだりに線路内に長居しない態勢を整えます。
- レール上での立ち往生を避ける:対向車の切れ目を待つ際、「自車の停止位置が路面電車の進行限界内に入っていないか」を常に意識しなければなりません。無理にレールの上で止まって対向車を待っていると、後方から迫る電車を完全にストップさせてしまい、避譲義務違反が成立します。
- 直角に近い進入角度で横断:右折を開始する際は、濡れたレールに足元を取られないよう、滑らかなハンドル操作で素早く確実にレールを跨ぎ越します。
路面電車の運行頻度が高い主要幹線道路では、電車の運行ダイヤを狂わせないための道路設計が進んでいます。熊本や鹿児島、岡山などの路面電車併用区間では、自動車用の右折レーンと路面電車専用信号(黄色や青色の矢印信号)が高度に連動しており、一般車両がレールを安全に横断できるサイクルが秒単位で緻密に制御されています。