劇中で描かれたカホコの行動には、確かに発達障害(特にASDやADHDのグレーゾーン)を想起させる特徴が散りばめられていた。他者との距離感の取り方、予定外の事態に対するパニック、特定の物事に対する並外れた集中力。これらは、親が過保護に育てたからそうなったのか、あるいは彼女が持つ特性ゆえに母親が過保護にならざるを得なかったのか。
この「卵が先か鶏が先か」という問いこそが、多くの当事者や専門家を惹きつける。過保護な環境は、ある意味で完璧な「合理的配慮」のシェルターとして機能していたとも言える。社会の荒波から娘を守るため、母親の泉(黒木瞳)が作り上げた過剰な防壁は、カホコの凸凹(でこぼこ)を目立たせないための装置でもあったのだ。