かつての竜ヶ崎線を知る市民からは、「昔はもっと頻繁に走っていた」「日中でも20分待てば乗れたはず」という声が聞かれます。実際に過去の時刻表の変遷を辿ると、日中や深夜帯を中心に運行本数が削減されてきた経緯があります。この減便の裏には、単なる乗客数の減少だけにとどまらない、複合的な理由が存在します。
第一の要因は、沿線の人口動態と移動手段の変化です。龍ケ崎市内の幹線道路網やバイパスが整備されたことで、日常の移動手段としての自家用車への依存度が極めて高くなりました。かつて商店街や金融機関が密集していた竜ヶ崎駅周辺から、郊外の大型商業施設へと生活拠点がシフトした結果、昼間時間帯の鉄道利用者が激減したという事実があります。
第二の要因は、少子高齢化に伴う通学需要の偏りです。現在の竜ヶ崎線を支えている最大のボリュームゾーンは沿線高校へ通う学生ですが、生徒数は年々緩やかに減少しています。さらに通学利用は「朝の登校時」と「夕方の部活終了時」の特定の短時間に極端に集中します。昼間や土休日の空気輸送状態が慢性化したことで、鉄道事業としての採算性を維持するために日中30分間隔へのスリム化を余儀なくされました。
そして決定打となった第三の要因が、深刻な運転士不足と運行維持コストの上昇です。関東鉄道の社内資料や業界関係者の指摘によると、全国的な鉄軌道・バス乗務員のなり手不足は北関東の路線にも直撃しています。軽油価格の高騰による気動車(ディーゼルカー)の燃料費増加や車両保守コストの増大を受け、限られた人的・金銭的リソースを最も需要の高い時間帯へ再配分した結果が、現在の減便ダイヤなのです。