海ばかりではない。雄武町の陸側に広がるなだらかな丘陵地帯では、上質な酪農・畜産業が花開いている。その筆頭が、知る人ぞ知る幻のブランド和牛「雄武牛(おうむぎゅう)」だ。オホーツクの潮風を受け、ミネラルを豊富に含んだ牧草を食べて育つ牛たちは、きめ細やかなサシと赤身の深い旨味を併せ持つ。
さらに、地元の職人たちが手がけるクラフトチーズや高品質な生乳も高い評価を得ている。寒冷な気候は牛にとってストレスが少なく、高品質なミルクを生み出す最高の条件となる。近年では地元の若い酪農家たちが自家製チーズ工房を立ち上げ、熟成期間を設けたハード系チーズや新鮮なモッツァレラが全国のコンクールで賞を受賞。海の幸だけでなく「陸の幸」の探求も、雄武町の美食文化をより重厚なものにしている。