ここ数年、製菓業界を揺るがしている最大のトレンドが、注文を受けてから目の前でクリームを絞り出す「生モンブラン」の登場だ。ミリ単位の細さで絞り出されるペーストから放たれる栗の香りは、空気に触れたその瞬間が最も力強い。
土台となるメレンゲが空気中の水分を吸って食感を損なう前に味わう――この「賞味期限数分」と称される儚さが、甘党の探求心を刺激してやまない。テイクアウト中心だった洋菓子の常識を覆し、イートインでの「体験型デセール」へと昇華させたこのムーブメントは、店舗のあり方そのものを再定義しつつある。